心の筋肉?「レジリエンス」って?
こんにちは!キャリアコンサルタント西山です。「働きやすい職場環境」というテーマでお届けしております。1回目のブログで「雇用」「人事評価」「人材育成」「人間関係」、この4つを適切に整備することが、従業員の労働意欲・定着率・パフォーマンスの向上につながるということをお伝えしました。(1回目のブログへ)最終10回目となります、今回は全てのベースになる「レジリエンス」というテーマでお伝えしたいと思います。
レジリエンスって?
聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。「レジリエンス」(resilience)とは、外的な衝撃にも、ぽきっと折れることなく、立ち直ることのできる「しなやかな強さ」のことです。何があっても立ち直れる、心の筋肉のようなものです。日本では、10年ほど前から研究が始まったそうですが、世界中が不安定になり、不確実性が高まっている現代は、いかに強い心を持つかということが大切ということですね。
レジリエンスな人・レジリエンスでない人には、以下のような特徴です(参照:リクルートマネジメントソリューションズ)。
●レジリエンスな人
- 考え方が多様
- 気持ちの切り替えがうまい
- 自分にも人にも優しい
- 周りの人と協力関係を築ける
- チャレンジを続ける
- 自分の良い面を認識している
●レジリエンスではない人
- 気持ちの切り替えが苦手
- 考え方の柔軟性が乏しい
- 自分にも人にも厳しい
- 一人で抱え込む
- 対人緊張が強い
- チャレンジしない
- 自分のネガティブな面ばかり注目している
起き上がり込帽子のように、何回倒されてもすぐに起き上がれる!というのであればよいのですが、人間はなかなかそうはいかない時もありますよね。生きていれば、悩みはあるし、思い通りにいかないものもたくさんあるはず。でも『それをどう捉えるか』で見える世界はガラッと変わってくるものです。2回目のブログで「リフレーミング」、この見方を変えることについてお伝えしました。今回は、少し角度を変えて、感情をコントロールするために有効な考え方「ABCDE理論」をご紹介したいと思います。
ABCDE理論?
1955年にアルバート・エリス博士が提唱した心理療法です。同じ良くない出来事が起こっても、Aさんはとてもネガティブに、Bさんはポジティブに捉えてしまっている、そんな経験、ありませんか?
実は、目の前の状況は自分の考え方ひとつで良いものにも悪いものにもなるのです。この理論を理解することで、トレーニングをすることで自分の心の中に湧き上がっている感情をコントロールできるようになります。ABCDEは以下の頭文字から来ています。
「出来事Aが起こり、Bという風に受け止める、その結果Cという状況/感情になった。でもその受け止め方を自問自答するDというプロセスを踏むことで、Eという適切な感情や行動が生まれる、こういった流れです。ポイントはB受け止め方には「合理的」なものと「非合理的」なものがあり、例えば「これは〇〇すべきだ」などと固定観念を持ってしまっていることもその1つに該当します。そして2つめのポイントはDの習慣を持てるかどうかです。
理論だけでは、イメージが沸かないと思います。参考にさせていただいたコチラの記事に分かりやすい事例が載っていたので、拝借したいと思います(引用:日経Goodday 30+)
ミスを指摘されて、「しょんぼりする」だけでは何の学びもないですが、上記のように事実を客観的に俯瞰することで、多面的な受け止め方が可能になるようになります。
このような思考をトレーニングする結果、プランAしか思いつかなかったのが、プランB、Cも思いついてしまった!というビジネスが広がるチャンスにもつながる可能性もあるかもしれません。近頃上司・部下の関係がギスギスしている…などの悩みがある方は、取り入れてみると少し楽になるかもしれませんね。それ以外にも、人材育成に課題を感じられている事業主の方、お気軽にご相談ください。