キャリコンブログ~働きやすい職場環境づくりvol.8~

ダイバーシティ経営?取り組むメリットって?

こんにちは!キャリアコンサルタント西山です。「働きやすい職場環境」というテーマでお届けしております。1回目のブログで「雇用」「人事評価」「人材育成」「人間関係」、この4つを適切に整備することが、従業員の労働意欲・定着率・パフォーマンスの向上につながるということをお伝えしました。(1回目のブログへ)8回目の今回は『ダイバーシティ&インクルージョン』について取り上げてみたいと思います。日本では現在、ダイバーシティの観点から、女性管理職登用や障害者雇用を促進するなど、人材の多様化に取り組んでいる企業も多くなってきました。まずは、ダイバーシティ、それって何?というところから始めていきたいと思います。

ダイバーシティ経営って?

ダイバーシティ(diversity)…直訳すると「多様性」です。近年では、ダイバーシティ経営という言葉も度々聞かれることになりましたが、それって何?と思われる方も多いと思います。経済産業省によると、ダイバーシティ経営とは、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義されています。つまり、ダイバーシティ=「働き方の多様性」ともいえます。そして、ダイバーシティ経営の効果として、以下4つを上げています。

なぜダイバーシティ経営に取り組む?

多様な人材の活躍というと、女性、外国人、高齢者、障がいのある人などがイメージしやすいのではないでしょうか。ここでいうダイバーシティはこういった表面的なものだけでなく、「働き方」「キャリア」「経験」といった一見外からは分からない深い部分も含まれます。

時短勤務、在宅勤務など多様な働き方制度の整備、妊娠・出産・子育てしやすい職場環境や制度づくり、介護と仕事を両立できる制度づくり…といったワークライフバランスの重視、こういったことも一部です。

多様な人材が能力を発揮し、価値創造を創出するこのダイバーシティ経営は、「経営者の取組」、「人事管理制度の整備」、「現場管理職の取組」の3拍子がそろうことで、下図のステップで取り組みをすることにより、彼らが活躍できる「組織風土」 が醸成され、成果につながっていくとされています(詳しくは経産省資料をご確認ください)。

(出典:経済産業省2021年3月「多様な個を活かす経営へ 」

1~4のステップがありますが、それぞれを上図右側のダイバーシティ経営診断シートを使うことにより、ダイバーシティ経営に自社がどのくらい取り組めているか/いないかが分かり、課題も一緒に見えてくると思います。興味のある事業主の方は一度お試しください(ダイバーシティ経営診断シート

ダイバーシティ100選プライムに選ばれた企業も地道な道のり。他社事例もご紹介!

経済産業省が、平成24年度から、ダイバーシティ経営に取り組む企業のすそ野拡大を目的に実施している「ダイバーシティ経営企業100選」というものがあります。多様な人材の能力を活かし、価値創造につなげている企業を表彰する取組ですが、9年間で282社が選定されています。

例えば今年受賞された日本ユニシス株式会社。受賞された詳細はコチラで確認いただければと思いますが、一人ひとりが「個」の多様性を高め、互いの個性を受け入れ、個性を活かすことでイノベーションを加速させるという想いを持って、ダイバーシティ経営に取り組まれています。一見大企業だからできるのでは?と考えがちですが、受賞企業となるまでの道のりを見ていると、できることから始めていけば、道筋ができてくることが分かります(下図参照)

(出典:令和3年3月経済産業省「新・ダイバーシティ経営企業100選」

スタートは2012年「キャリア相談窓口支援開始」ここからでした。上図を見ると、その3年後には、「産休・育休ワークショップ」「介護セミナー」を実施とあります。ここからは私の想像ですが、2012年にキャリア相談窓口を設置し、社員の声を聴くことにより、課題が見えてきた→それを解決するためにできることは?→ワークショップ、セミナーをしてみよう!そういう流れだったなのではないかと想像します。

★他社事例もたくさん掲載されていますので、「新・ダイバーシティ経営企業100選」ご覧下さい。

 

まずはできることから!

そう考えると、企業規模関係なく、できることはあるのではないかと思います。産休・育休ワークショップの開設 、短時間勤務制度の導入 、障がい者雇用にチャレンジ 、キャリア相談窓口の開設…キャリコンの私としては、キャリア相談窓口を設置し、社員の声に耳を傾ける場を創り出し、ニーズ把握、それに必要な施策として様々な制度や雇用に取り組むことが1つ1つの会社の活力を生み出す原動力になるのではないかと思います。まずは、できるところからやってみましょう!

今回は、ダイバーシティ経営についてお伝えしました。様々な背景、経験、価値観の方を巻き込み、それぞれの良さを活かし、社内の活性化をはかりましょう!そういった仕組みづくりをしていきましょう!ということでした。こういった取組をしている会社だということを、社外に対してアピールすることもでき、結果的に良い人材が採用できることにもつながるかもしれません。ブランディングの一環にもなるのではないでしょうか。多様な人材を社内でどう活かすか、どんな仕組みづくりができるのか、課題と感じられた方はお気軽に弊社にご相談ください。様々な角度からご提案させていただきます。

 

【キャリコン西山のコラム】

先日キャリコン研修会で、企業のダイバーシティ&インクルージョン推進室でプロジェクトを進められている方にお会いしました。

最近どのような取り組みをしているのか聞いてみたところ、例えば育児と仕事の両立をしている女性社員を集め、パネルディスカッションを開催したということでした。様々な部署の方がパネラーの意見を聞くことで思考や理解を深めることができる上、パネラーの方自身も自分だけの悩みではなかったんだと考えられるきっかけになるという狙いがあるそうです。育児で時短勤務をしていると仕事上で他の社員の人に負担をかけることもあるかもしれないけれど、それってお互い様だよね!と思える人が増えるといいなと仰っていました。こういったことは会社内の管理部門単体で行われがちですが、プロジェクト形式で様々な部署からメンバーを募って行うことにより、普段であれば仕事上関わることのない他部署の方と深いつながりができるというのもメリットの1つだそうです。企業規模によっては難しい場合もあるかもしれませんが、考え方1つでいろんな取り組みができ、組織活性化のきっかけになるのではないかと感じました。

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